はじめての御朱印帳の選び方
みなさんはお寺や神社をお参りしたときに、御朱印をいただいたことはありますか?
私は30年以上ぶりで御朱印集めを再開しました。
昔使っていた紫色の御朱印帳の行方は分からないので、今年新しいものを購入しました。
ということで、その時調べたことをシェアしますね。
御朱印とは
諸説ありますが、元々は納経の証としていただいたものです。
現在は、寺社を参拝した証としていただけます。
寺社ではありませんが、京都の二条城では「御城印」や「入場記念符」、京都御所では「記念符」と呼ばれています。
御朱印のいただき方
御朱印は納経や参拝の証としていただくものなので、基本的には納経・参拝の後に納経所や御朱印受付所でいただきます。
但し、混雑緩和のため参拝中に御朱印を書いて、参拝後に渡してくれるところもあるため、まずは案内を確認するとよいですね。
受付時間も決められているため、夕方近くに訪れた場合は、あらかじめ御朱印の受付時間を確認しておくと安心です。
御朱印をいただくためのお代である初穂料は、300円~500円くらいのところが多いです。
書いてくださる方が受付もお会計もされていることが多いので、手間をかけないよう小銭を用意しておくとよいでしょう。
電子マネーは使えないところがほとんどです。
また、初穂料が明記されてなく「志納金」「志納料」などお志(こころざし)として納める場合もあります。
その場合は、上記の額を目安にするとよいでしょう。
御朱印帳の種類
形式
綴じ方
蛇腹タイプや綴じ本タイプが見られます。
多くは蛇腹タイプのようですが、四国八十八ヶ所や西国三十三カ所などは綴じ本タイプです。
サイズ
主に2種類のサイズが多く販売されています。
小さい(標準)サイズ:約16cm×11cm
大きい(大判)サイズ:約18cm×12cm
私のおすすめは大きいサイズです。
直書きではなく、このような書き置きや、印刷されたものの場合、大きいサイズの御朱印帳の方が貼りやすいです。
私の御朱印帳は、大きいサイズなのですが、横幅にこれくらいの余裕があった方がはみ出す心配がありません。
直書きの場合も、大きい方が迫力があります。
紙質
裏写りをできるだけ防ぐために、あまり薄くないものがよいと思います。
とはいえ、一冊分すべて裏写りしないというのは難しい気がします。
かなり太く力強い書体の場合は、厚みのある紙でも少しは裏写りします。
両面使いの場合、直書きの裏には書き置きの御朱印を貼るなどすると綺麗に使えそうです。
また、ツルツルしたものは墨が乾きにくく、なかなか閉じられなかったり、汚れやすいので避けたほうが無難です。
書き置き用の御朱印帳
書き置きや印刷された御朱印を(貼らずに)挟むタイプの御朱印帳もあります。
御朱印帳の使い分け
御朱印の形式
先述のように挟むタイプの御朱印帳を購入した場合は、書き置きや印刷用の御朱印帳と直書き用の御朱印帳で分けることもできます。
テーマ
- 縁結びの神様だけを集めたい
- 学問の神様だけを集めたい
- 地域を絞りたい
など、自分流のテーマに沿った一冊を作るのも素敵です。
この記事に出てくる京都文化博物館で見かけた「KYOTO」という文字がデザインの中にある御朱印帳を見たとき、「この中に京都でいただいた御朱印だけを集めるのもいいな」と感じました。
お寺・神社
私はまだ出会ったことがないのですが、寺社の御朱印が混在している御朱印帳には書いていただけないところもあるようです。
そういう意味では、お寺用・神社用で分けることもあるでしょう。
一の宮神社
一の宮とは
「一の宮」は、平安時代から鎌倉時代初期にかけて逐次整った一種の社格です。
http://ichinomiya-junpai.jp/about/%E4%B8%80%E3%81%AE%E5%AE%AE%E3%81%A8%E3%81%AF/
朝廷や国司が特に指定したものでなく、諸國において由緒の深い神社、信仰の篤い神社が勢力を有するに至って、おのずから神社の序列が生じ、その最上位にあるものが「一の宮」とされ、以下二の宮・三の宮・四の宮と順位がつけられたのです。
神社の中でも、その地域(昔の国)で一番格式が高いとされる一の宮神社では、専用の御朱印帳が販売されているところもあります。
すべての一の宮神社がこれを使わなければいけないということではありません。
実際に、山城国(京都)一の宮神社である上賀茂神社や下鴨神社で、私は寺社でもなく、御城印が書かれた御朱印帳に書いていただけました。
こちらの写真は、山城国(京都)一の宮神社である上賀茂神社でいただいた「諸国一の宮一覧図」というパンフレットに掲載されていた「全国一の宮 御朱印帳」です。
上賀茂神社で実際に販売されていました。
ここまで御朱印帳を使い分けたらすごいですね。
他の参拝者の方も並んでいてよく見られなかったのですが、かなり大きめのサイズでした。(小さなサイズもあります)
こちらから通信販売もされています。
四国八十八ヶ所
(一社)四国八十八ヶ所霊場会のホームぺージを見てみると、「四国八十八ヶ所霊場 納経帳」というものがありました。
お納経(御朱印)は、お経を奉納し、ご縁を結んだ証にいただくものということから、このような名称のようです。
規定以外のものには納経できない場合がある旨明記されているので、お遍路を目的とされている場合は専用のものを購入したほうがよさそうです。
西国三十三所
西国三十三所は、関西を中心とした2府5県にまたがる33箇所の観音菩薩を祀る寺院です。
こちらも「西国三十三霊場納経帳」と書かれた納経帳があります。
日蓮宗
佐賀県にある日蓮宗 安性山 國相寺のホームぺージに、とてもわかりやすく「御首題帳」について記載されていました。
日蓮宗は御朱印にあたるものを「南無妙法蓮華経」の御題目を意味する御首題と呼びます。
ということで、本来は日蓮宗専用の「御首題帳」に御首題をいただくようです。
他のお寺の御朱印がある御朱印帳に書いていただけるかどうかは、お寺により違いがあります。
書いていただける場合も、御首題帳とは内容が違うこともあるので事前に調べてみるとよいですね。
使い分けを気にしすぎてあれこれ御朱印帳を分けてしまうと、実際のところ旅先で重いという問題が出てきます。
マナーは守りたいし、悩ましい!
御朱印帳を購入できる場所
通信販売
好みの御朱印帳が選べるほどのお店は少ないので、最初の1冊はAmazonなどネット通販で購入するのが現実的かと思います。
写真は、私の御朱印帳です。
どちらも、約18cm×12cmの大判タイプです。
購入した2023年(令和5年)は卯年(うさぎどし)でしたが、特に意識したわけではなく、かわいいなと思ったら2冊ともうさぎでした。
旅先で手に入る御朱印帳(京都編)
寺社・お城
寺社の御朱印受付所でオリジナルデザインの御朱印帳を販売しているところもあります。
なお、お城の場合は御朱印帳ではなく「御城印帳」です。
相国寺
二条城
二条城
京都ポルタ おみやげ小路 京小町
京都駅にある京都ポルタ内の「おみやげ小路 京小町」でも少しだけ御朱印帳を見かけました。
種類は少なかったのですが、大人の雰囲気で素敵ですね。
京都文化博物館
他では見かけないデザインの御朱印帳が多いと感じたのが京都文化博物館です。
京都観光の途中でぺージが少なくなってきたら、ここを覚えておくとよいと思います。
1階のお土産コーナーで見かけたのがこちら。
和洋折衷のデザインも素敵!
こちらは、京都文化博物館1階にある和紙を取り扱うお店「京都楽紙館」にあった御朱印帳です。
訪れた時は、特別展「もしも猫展」が開催されていたため、特別展用のお土産コーナーには猫がデザインされた御朱印帳が何種類もありました。
その時々の特別展に合わせたご朱印帳が手に入るのは貴重です。
京都鳩居堂 別館(2024.10 追記)
京都鳩居堂本店の斜め向かいにある別館に、こちらの朱印帖がありました。
鳩居堂らしく、鳩をモチーフにしたかわいくも品があるデザインですね。
カランコロン京都(2024.10 追記)
東海道新幹線京都駅八条口にある「アスティ京都」のアスティロードにあるこちらのお店にも御朱印帳がありました。
駅で購入してすぐ使えるのは嬉しいですね。
御朱印帳の奥には、御朱印帳入れもありました。
御朱印帳を楽しむ小物
御朱印帳ケース
御朱印帳ケース、御朱印帳カバー、御朱印帳入れ、御朱印帳袋など、呼び方はいろいろあるようです。
ビニール製、布製、巾着型、ファスナー型など、素材も形状もいろいろあるので、選ぶのが楽しいですよ。
御朱印帳バンド
御朱印帳が開いてしまわないように留める御朱印バンドもあります。
写真は京都文化博物館のお土産コーナーで見かけたものです。
かわいい!
水引やリボンのモチーフだけでなく、ネット上には動物がモチーフになっているもの、ワンポイントはないけれどベルト自体に柄が入ったものなど多くの種類があります。
御朱印帳の処分方法
ところで、自分がこの世を去った時、御朱印帳はどのようにしてもらったらよいのでしょう。
さすがに、残された人もごみとして処分するのは罪悪感がありますよね。
後々どうしてほしいのか、家族に伝えておく必要がありそうです。
副葬品として棺に納めてもらう
功徳を積んだ証として、
極楽浄土への手形として、
あちらの世界に向かう道中、神様や仏様に護っていただけるためなど、
考え方は様々ですが、副葬品として棺に納めてもらうことがあるようです。
元々が納経の証だったことを考えると、なるほどなと思います。
私は棺に納めてもらうよう子どもに頼むことにします。
神社やお寺でお焚き上げしてもらう
葬儀の後に御朱印帳が見つかることもありますね。
ゴミとして処分するのは心が痛むので、神社やお寺でお焚き上げしてもらうのもよいと思います。(それでよいのかどうかは定かではないのですが)
思い出の品として保管してもらう
残された人が思い出の品として残したいのであれば、そのようにしてもらえばよいですね。
いずれにしても、残された人が困らないよう日頃から話をしておくことが大切です。
御朱印帳も購入したし、いざ!
……いざ、どこへ行ったらいいの?
そんな方には、御朱印のガイドブックがおすすめです。
ちなみに私が持っているのはこちらのシリーズ。
御朱印情報だけでなく、そこでしか手に入らない御朱印帳、お守りの情報まで載っているのでおすすめです。
まとめ
観光として訪れるのであれば、まずは蛇腹タイプの大判の御朱印帳(約18cm×12cm)を1冊用意しておけばよいと思います。
私は京都観光に行ったとき、お寺用と神社用を分けて用意しました。
ところが、最初に行ったのが「二条城」!
お寺でも神社でもなく、お城……。
しかも、お城なので「御朱印」ではなく「御城印」!
初っ端から「えっ?どうすれば???」となりました。
ということで、あっさりとなし崩し。
こだわりは捨てました(笑)
実際、御朱印帳を2冊リュックに入れて観光していると、他にも荷物が入っているので肩が痛くなってしまい、2冊持ち歩くのは大変だと感じました。
寺社が混在している御朱印帳には書いていただけないところがあると聞きますが、そのような時はそこで販売されているオリジナルの御朱印帳を購入すればよいと考えるようになりました。
「こちらの御朱印帳には書けません」と言われたら、それも経験!
それぞれの寺社の考え方を素直に受け入れて、また一つ世の中の勉強になったなと考えることにします。
御朱印集めは、スタンプラリーのようなものではありません。
日本の文化や歴史に思いをはせながら、お気に入りの御朱印帳でありがたくいただけたらよいですね。