50代の私 生き方のロールモデルとは?
ロールモデルとは
「ロールモデル」とは、考え方やあり方(行動・態度)に共感でき、自分もそのようになりたいと思える人物だと考えています。簡単には「自分にとってのお手本となる人」ということです。
この言葉は職業上のキャリアプランと重ね合わせて使われることが多いですが、今回私が取り上げるのはキャリア的なことではありません。
50代になり人生のゴールにリアル感が増し、残りの健康寿命をどう生きようかということ。
生き方のロールモデルです。
女性の生き方が変わり始めた世代
1986年に施行された男女雇用機会均等法
50代女性がおおよそ10代だった1986年に施行された男女雇用機会均等法。
「あなたたちの生きる時代は、女性も働き、男女が協力して家事を行う時代です」
家庭科の授業で言われたことが、その時代のスタンダードな教育ではなかったことを知ったのは47歳の時でした。
昭和の商店街育ちの私は、友人のほとんどが商人の子で、母たちは家業に従事している人ばかりでした。
環境のせいか、その授業は印象に残っても違和感はありませんでした。
価値観の変化はグラデーション
制度ができても、人の意識はそう簡単に変わるものではありません。
私と同世代の女性には、親世代のように専業主婦としての生き方を当たり前に受け入れている人もいれば、本当はキャリアを継続させたかったのに家事育児をワンオペでせざるを得ず働き方を変えた人、結婚という道を選ばず仕事を通して社会で活躍している人など様々です。
共働きなら家事育児をシェアするのがフェアでは……。
そう考えていても、昔ながらの価値観にとらわれている自分もいて、結局自分でその負担を必要以上に背負ってしまったり。
どこかしら夫に気兼ねしながら生きている部分があったり。
自分より上の世代の女性たちに比べ、生き方の幅ができたようで、できていない……。
何とも中途半端で自分の生き方に常にモヤモヤしています。
ロールモデルが見当たらない
そんな中途半端な世代の自分が上の世代を見回しても、参考になる生き方をしている女性の情報にたどり着くことが難しいと感じています。
存在してるはずだと思うのだけど。
仕事関係も自分より上の女性は限られているし、ネット上で無数の見ず知らずの人との接点が得られるものの、そこに自分より上の世代の女性は極端に少ない。
私が見つけたロールモデル
そんな中でも、私が素敵な生き方をされていると感じたお2人の女性がいます。
自分の母よりも年上の方々です。
面識はなく、ネット上で知りました。
78歳でのMacと出会いが人生を変えた 高貴香麗者 大崎博子さん
2024年7月23日、大崎さんは永眠されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
私はX(旧Twitter)で大崎さんのフォロワーでした。お亡くなりになる前日まで日々の生活をポストされ、最後になったポストは「おやすみなさいませ」でした。
25日に大崎さんのアカウントから娘さんが事態をポストしたことで知ることになり、涙がとめどなく流れました。
今回この記事を書くきっかけにもなりました。
「品のよい聡明な女性」というのが私の大崎さんに対する印象です。
- 自立心
90歳を過ぎてもひとり暮らしを続け、家事・家計管理などしっかりとご自身の力で生活をされていました。人には見せない不安な気持ちもおありだったと思いますが、凛とされているご様子が素敵でした。 - 前向きな姿勢
高齢であることを理由に活動を制限することなく、常に前向きに生活を楽しんでおられました。ご自身を「高貴香麗者(こうきこうれいしゃ)」と呼び、年齢をポジティブにとらえようとする姿勢に共感を覚えました。 - 知恵と工夫
現金はほとんど使わず、毎月PayPayにチャージした中から支払いをすることで、家計管理をされていました。コンパクトに暮らすことを実践され、暮らしの中にシニアライフのコツがたくさんありました。 - 健康管理
太極拳で身体を動かし、デジ活で脳を動かす。夜は野菜たっぷりの手料理と晩酌で食を楽しみ、健康を意識されていました。 - コミュニティとの関わり
太極拳や麻雀を楽しまれ、年下のご友人たちとのお付き合いも大切にされていました。楽しみでもあり、1人の生活に引きこもらないためでもあり、なによりご自身に万が一のことがあった時に気付いてもらい、離れて暮らす娘さんに連絡がいくようにされていました。
Xでのポストがメディアの目に留まり、インタビューを受けたり、本を出版されたりしていました。
81歳でiPhone向けのゲームアプリ「hinadan」を開発 世界最高齢のプログラマー 若宮正子さん
私が若宮さんを知ったのは、パソコン教室でインストラクターをしていた2013年頃です。Microsoftのワードでお絵描きをする講座があり、それがきっかけで「エクセルアート」という言葉を知りました。
その創始者が、58歳の時にパソコンを購入し独学で習得したという若宮さんです。
長年お仕事をされ介護も経験された若宮さんは、当時既に80歳手前でしたが、高齢者の生きがい作りを目指すメロウ倶楽部で活躍されていました。
そんな若宮さんが一躍有名になったのは、81歳でスマートフォン向けのゲームアプリ「hinadan」を開発したことにあります。
その年のWorldwide Developers Conference(WWDC)に招待され、あのアップル CEOのティム・クック氏から「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介され、メディアに広く知られるようになりました。
その後は、国連で高齢者のデジタル活用について講演されるなど、ご活躍の場が広がっています。
おふたりの共通点
自立心
前向きな姿勢
好奇心
知恵と工夫
デジタルの活用
人を巻き込む力
この共通点こそが、私が惹かれるポイントです。
助け合う仲間はいつつも、誰かに依存せず、時代の波にうまく乗りながら前向きに生きる。
どこか潔さを感じさせる生き方です。
おわりに
「これだけSNSが広まっている中で、その中に自分の存在すらないのは不自然なのではないか」
Web上のコミュニティの中で、そのように言われたことがあります。
何気なく使っていたものの、私たちの生きる世界はオフライン、オンライン両方に存在していることを意識しました。
おふたりを見ていると、シニアというカテゴリーに片足を突っ込んでいる自分でも、まだ人生の花を咲かせられるチャンスがあると勇気づけられました。
ありがとうございます!
ご本人たちは誰かに影響を与えようなどと考えているわけではなく、自分の人生をただ前向きに生きていたのだと思います。
ただ、その生き方にネット上で触れられたことで、私のように感銘を受けた方がいらしたと思います。
ちょっとしたことでも発信し続けていると、誰かの力になることがあると感じました。