トランプ・ショックで相続した株と向き合い気づいた、「つなぐ人」という生き方

2025年4月のトランプ・ショックで日本株が大暴落した日。
母から受け継いだ株がきっかけで、資産は代々受け継いで育て、子孫を守るものということを再認識しました。
親の人生の一部を、受け取った気がした
2年前、私は母から株を相続しました。
相続した株の銘柄を見たとき、ふと考えました。
「どうしてこの株を選んだのかな?」と。
自営業の父と結婚した母は、父が亡くなるまでお金に振り回されてきました。
だからこそ、
「(資産を私と兄に)少しでも多く残してやりたい」
と口にしていました。
安心して(穏やかに?)生きられるようにとの想いだったのでしょう。
私が受け取ったのは単なる株券ではなく、母が人生のどこかのタイミングで選び、持ち続けてきた想いのかけらだったのです。
相続した株の取得価額
ちょっと実務的なお話もしておきますね。
株を相続したとき、その取得価額(=売却益を計算する基準となる価格)は、
特定口座:親が買った時の価格
NISA口座(新旧とも):親が亡くなった日の時価
となります。
ただ、受け取った私から見れば、自分は元手を出していないので実質的な取得価額はゼロです。
「益」はあっても「損」という概念はないんだと考えています。
もし、受け継いだものがデータ上マイナスを出していたとしても、それは実質プラスであり、損益通算で利用できる資産です。
なお、親がNISA口座(新旧とも)で保有していた株は、相続によって非課税扱いが終了し、課税口座に移されることになります。
私はこの経験を通して、「お金のことを学ぶのは、自分のこれからの生き方に向き合うことなんだな」と実感しました。
トランプ・ショックで株価が急落したあの日
今も世界を揺るがせている「トランプ・ショック」。
私も不安になって相場をチェックしていたのですが、そのとき思わず心の中でつぶやきました。
「この株だけは、守らなきゃ」って。
母が遺してくれた株は、私にとってただの資産ではなく、大切な何かをつなぐものだと強く感じました。
相続した株は時間分散が効いているため、株価が大きく下がっても含み益は保てていました。
「なんだか、今も母に守られているな」
と感じたのです。
私も、子どもに何かを「つなげる人」になりたい

その出来事をきっかに、私は改めて思いました。
私の代でも増やすことができれば、それらは私の子どもに引き継がれ、私がこの世からいなくなっても彼らを守ってやることができるかもしれない。
私も、子どもに何かを「つなげる人」になりたい。
株を相続したことは、単なる「相続」ではなく、生き方のバトンを受け取ったような出来事だったのです。
「つなぐ人」という生き方
資産はその人だけのものではなく、代々育て、守り、つないでいくもの。
そう考えると、「つなぐ人」という私のこれからの生き方や、存在意義が感じられました。
親の生き方からヒントをもらい、
私は私なりに育て、守り、次へとつないでいく——
そんな生き方も、悪くないなと思えた瞬間でした。